オートキャド(AutoCAD)の操作方法のひとつである一時優先キーとは、一体どんな機能なのか。
前回はそのあたりについて簡単に説明をしてみましたが、今までの使い方に較べると少しインパクトが弱い気がします。
コマンドを実行する手段とか、そういう分かりやすさが一時優先キーにはあまりないんですよね。
これは書いている私自身が感じることなので、恐らく読んでいる方も同じようなことを考えるのではないかと思います。
それでも引き続き、一時優先キーについての説明を続けていきますが……
今回は、一時優先キーについて説明した時に質問されそうな内容と、その回答について考えてみます。
■元々ある切り替え操作
一時優先キーというのは、コマンドの実行ではなく、操作中の設定を切り替える機能として使います。
直行モードの切り替えとか、オブジェクトスナップの切り替えなどの機能をスムーズに実行する為に使う訳です。
でも、そうした設定の切替は、既にオートキャド(AutoCAD)の初期設定で用意されているはずです。
直行モードの切り替えであれば「F8」キー、オブジェクトスナップのON-OFF切り替えは「F3」キーに。
また、定常オブジェクトスナップ以外のスナップ点を選択する場合には、Shift」を押しながら右クリック。
そうした機能がありながら、なぜ一時優先キーを使うのか。
そんな質問がありそうですが、その質問に対する答えは割とシンプルなものになると思います。
「一時優先キーを使う方が楽で速い場合もあるから」
全然面白くない回答ですけど、まあコレしか言うことがないんですよね、実際のところは。
■少しでも良さそうなやり方で
当サイトでは、ただひたすら作業効率の改善をテーマにして、オートキャド(AutoCAD)のカスタマイズを推奨しています。
だから、初期設定よりも少しでも効率が良さそうな操作方法であれば、積極的に紹介をしていくつもりです。
一時優先キーも、特に飛び抜けて便利という機能ではないかも知れませんが、使い方によって操作が楽になることはあります。
例えば直行モードの切り替えですが、基本的に直行モードをOFFにしていて、本当に今だけ直行をONにしたい。
図面を描いていると、そういうシーンは結構あるんです。
そこで「F8」を押すのがそれほど手間なのか? と言われてしまうと、ちょっと返答に困ってしまいますが……
「今だけ直行にしたい」と思った時だけ「Shift」キーを押しっぱなしにする方が楽じゃないか。
少なくとも私はそう思っています。
オブジェクトスナップの切り替えも同じです。
作図する図面の種類にもよりますけど、普段あまり使う機会のない四半円点を定常オブジェクトスナップには設定しないですよね。
でもたまには四半円点をピックしたくなることもあって、そうした時に「Shift」を押しながら右クリックは結構面倒なんです。
そこからさらにスナップ点の一覧が出て、そこから選択するのなら、一時優先キーとしての方が少しだけ楽。
例えば「Shift+C」を押しっぱなしにしている時だけ、四半円点をピック出来る状態に設定しておくとか。
そういうカスタマイズを少しずつでもやっていくと、オートキャド(AutoCAD)の操作が速くなっていきます。
もちろんそれで劇的にスピードアップするかというと、そこまでの効果は期待出来ないとは思います。
厳密に比較したことはないので分かりませんが、1枚の図面を完成させるまでに、数分程度の時間短縮しか効果はないかも知れません。
でも、その数分は決して無駄ではないと私は考えるので、あまりパッとしない感じのする一時優先キーも紹介します。
操作方法を比較して、少しでも効率が良さそうなやり方を選び、カスタマイズしていく。
その試行錯誤は決して無駄ではないですから。