前回は、試しに自分で作成してみるコマンドマクロのサンプルとして、こんな感じの機能を紹介しました。
・ストレッチコマンドを実行した際にポリゴン交差選択するコマンド
・原点(0,0)を基点にした基点コピー
これくらいシンプルなコマンドマクロであれば、割と手軽に自分で作ってみることが出来ます。
この手軽さを味わう為には、オートキャド(AutoCAD)を使う自分自身にある程度の知識が必要です。
それが手軽じゃないから、コマンドマクロを自分で作るのは大変なのに……という意見もあると思います。
しかし逆に言うと、そうした知識があれば、色々なコマンドマクロの可能性を自分で試してみることが出来るということ。
必要な知識のハードルはそれほど低くはありませんが、かと言ってとんでもなく難しいわけでもありません。
覚える価値のある知識だと思いますので、積極的に覚えて自分で試してみることをお勧めします。
こういうのは自分でやるのが一番楽しいものですから。
と言うことで、今回はストレッチコマンドにやや便利な機能が付いたみたいなコマンドを作ってみましょう。
■コマンドの流れを掴む
コマンドマクロを作成する際にまずやっておくのが、コマンドの流れを一通り確認しておくことです。
これがきちんと出来ていれば、何の問題もなくコマンドマクロは完成して、後は設定画面でそれを入力するだけ。
コマンドの流れを上手く確認することが出来れば……と書いていますが、別にそれ自体は難しい話でもありません。
今回のサンプルコマンドマクロでは、以下のような流れでコマンドが進んでいく事になります。
1.実行中のコマンドをキャンセル
2.ストレッチコマンドの実行
3.ポリゴン交差窓を指定
4.オブジェクトを選択
5.ストレッチの基点を指定
6.移動先を指定又は数値入力
これで一連のコマンドは完了です。
この中でコマンドマクロで実行するのは、手順1から3までで、後は自分で画面上から色々と操作をしていきます。
■キー入力の流れを確認
これでコマンドの流れが大体掴めましたが、次のステップでやることは、その流れをキーボード入力で書き出してみること。
今回の場合で言えば、上記1~3の手順をオートキャド(AutoCAD)で操作する場合どうなるかを考えること。
これは、実際にオートキャド(AutoCAD)を使っている方であば、それほど難しい話ではないはずです。
ちなみに、手順4以降は毎回選択するオブジェクトが違うし、基点や移動先も違うので、これをコマンドマクロに入れることはしません。
毎回画面上側に1500ストレッチする、みたいに、常に同じ処理をする場合はオートキャド(AutoCAD)にやってもらいますが……
そういう操作はあまり一般的じゃないので、そこはユーザーがその都度適切な選択をしていくことになります。
具体的なキー入力の流れについては、次回に詳しく説明をします。