オートキャド(AutoCAD)のコマンドマクロで活用する特殊文字にはどんなものがあるのか。
前回はとりあえず特殊文字を一覧で表示して、簡単な説明をしながら一気に紹介してみました。
まあ数としてはそれほど多くはないんですけど、半分くらいは意味が良く分からない説明だったかも知れません。
私もあまり使っていない特殊文字があったし、説明をする為に調べて初めて知った特殊文字すらありました。
へぇ、こんな特殊文字があるのか……まあ使わないけど、みたいなヤツが幾つかあって、良い勉強になりましたよ。
説明をしている私がそんな状態なのだから、全部をきっちりと知っておく必要はない、というのがよく分かると思います。
広く浅くという感じで全部知るのではなく、よく使う重要な特殊文字だけ、しっかりと使い方を押さえておけばOK。
いわゆるビジネス書と呼ばれる本を読んだりすると、結構な確率で「8:2の法則」という言葉が出てきます。
企業全体の8割の売り上げを2割の社員が生み出している、とか、そういう感じの言葉だったと記憶しています。
コマンドマクロの特殊文字もそれと似たような話で、2割の特殊文字が全体の8割分の仕事をしている、という感じです。
と言うことで、前回紹介した特殊文字の中から、よく使うから覚えておいた方が良いモノを紹介していきます。
■まずは「Enter」
オートキャド(AutoCAD)のコマンドを実行するには、コマンドを入力した後で「Enter」を押す必要があります。
フルコマンド入力でもコマンドエイリアスでも、その考え方が変わることはありません。
まあショートカットキーは別で、ショートカットキーの強みはまさにそのあたりにある訳ですが……
それ以外のやり方では「Enter」を抜きにしてコマンドの実行を語ることは出来ないんです。
だから、特殊文字の中で最も重要な文字も「Enter」の役割を果たすモノになります。
重要だからかどうかは分かりませんが、オートキャド(AutoCAD)も「Enter」の効果がある特殊文字を幾つか用意しています。
; → [Enter]を入力
^M → [Enter]を入力
[空白スペース] → スペースを入力
なぜ上記の中に[空白スペース]を入れたかというと、コマンドを入力した後にスペースキーを押しても実行が出来るから。
何回か前にサンプルで紹介した「削除」のコマンドマクロは、確か以下のような構成になっていました。
^C^C_erase
これはERASEの後にスペースが含まれていて、そのスペースが「Enter」の役割を担っていた訳です。
だから、上記マクロをこのように書き換えても、コマンドの実行結果は全く同じになります。
^C^C_erase;
^C^C_erase^M
どの特殊文字を使っても大丈夫ですが、私は個人的に「;(セミコロン)」をお勧めしたいと思っています。
理由は、入力しやすいという点がひとつと、記号なのでコマンド入力との区別が付きやすいという点。
このあたりの感覚というのは、サンプルコマンドを作っていく中で何となく分かっていくと思っています。
ちょっと「Enter」だけで終わってしまったので、よく使う特殊文字については次回に続きます。