前回はオートキャド(AutoCAD)の操作方法として、フルコマンド入力の具体的な手順を紹介しました。
この方法は最も基本的な操作方法で、まあ原始的な方法と言われてしまいそうな方法でもあります。
かなり昔の話になりますけど、OSがまだWindowsになっていない時代があった訳ですが……
その時代のオートキャド(AutoCAD)は、気が利いたボタンが画面上に表示されているとか、そういうのはありませんでした。
あまり操作方法の選択肢が多くなかった為、当時はコマンドラインに様々なコマンドを入力していく頻度も高かった記憶があります。
もうかなり昔の話ですね。
ちなみに私がオートキャド(AutoCAD)を覚えた頃は、Windows3.1が出てきたあたりでした。
だから昔のバージョンの操作方法については、それ程使いこなしていたという気がしませんが……
まあ昔の話は良いですよね。
今回はそんなオーソドックスなフルコマンド入力の特徴、特にメリットについて考えてみましょう。
■フルコマンド入力のメリット
フルコマンド入力をすることで、操作的にどんな良いことがあるのか、ちょっと考えてみました。
しかし正直なところ、当サイトの「効率化」という点から考えると、それほどメリットは存在しないんですよね。
ないのかよ!
と、そんな声が聞こえて来そうですが……ないと思っているモノに対して無理矢理メリットを考えるのは無理があります。
「メリットがどこにあるか考えてみた」というのはちょっとウソで、最初からそれを分かって書いてますから。
フルコマンド入力というのは、オートキャド(AutoCAD)の中では極めてオーソドックスな操作方法です。
なので操作方法として洗練されているとか、便利な機能が付随しているとか、そういう部分はあまり大きくない。
これが、効率化を考えた場合にメリットがないと感じる最大の理由です。
■基本操作として
では、効率化をそれほど重視しない場合、フルコマンド入力にどのようなメリットがあるのか。
全くメリットがない訳ではないので、ここではそれを紹介しておきましょう。
それはただひとつ、どんな設定のオートキャド(AutoCAD)でも同じ操作が可能、という点です。
オートキャド(AutoCAD)はカスタマイズ性が高いCADですから、人によって様々な設定になっています。
私が仕事で使っているオートキャド(AutoCAD)も、初期設定などかけらも残っていない状態です。
別にだから効率が良いとかそういう訳ではありませんが、今まで色々と操作してきた中で便利だと思ったやり方になっている訳です。
当然私が使えば非常に便利なんですけど、間違いなく私以外の方にとっては非常に不便な状態だと思います。
そしてその逆も当然あって、私が初期設定のオートキャド(AutoCAD)を使う場合は、同じ理由で非常に不便に感じるはず。
基本的には常に自分が設定したオートキャド(AutoCAD)を使うので、それで問題になることはあまりないですけども……
でも、時には人のパソコンで操作をする場合もあります。
そうした状況になると、自分用の設定を考え抜いている方であればある程、人の設定では操作しにくいものなんです。
そんな時にフルコマンド入力を覚えておけば、どんな設定であったとしても、何とか操作することは可能ですよね。
効率的ではないにしても、何とか一般的なやり方で操作を進めることが出来るので、それで助かる場合もある訳です。
これをメリットと呼んで良いのかどうか。
個人的には結構迷ってしまいますが……フルコマンド入力の優れた部分はそこにしかないと思います。
メリットがあまりないと書いた後で、あえて必要かどうか悩みますが、次回はフルコマンド入力のデメリットを紹介します。