前回はオートキャド(AutoCAD)のカスタマイズ機能のひとつ、コマンドマクロとは何かについて簡単に説明をしました。
ツールバーのカスタマイズをする延長にあって、自分用のオリジナルコマンドを作成することが出来る機能。
簡単に言ってしまうとそんな感じになりますが、まあこのあたりは実際に自分で使ってみるのが一番早いと思います。
一例としてコマンドマクロを実際に作成してみるのは、もう少しだけ先になってしまいますが……
今回はその前に、コマンドマクロというのがどんな概念を持っていて、実際にどんな動きをするのかを紹介します。
基本的なルールと動きを知ることが出来れば、あとはどのコマンドを組み合わせるのかを考えるだけです。
そこまで出来れば第一ステップは完了です。
基本的なコマンドを組み合わせたものであれば、オリジナルのボタンとして作成することが出来るはず。
ということで、まずはコマンドマクロの基本的なルールについて、出来るだけ分かりやすく説明をしていきます。
■コマンドマクロの基本ルール
コマンドマクロの中身は、前回サンプルとして紹介した削除ボタンの場合は以下のような構成になっていました。
^C^C_erase
まあ上記のコマンドマクロは非常にシンプルなものですから、構成というほどのものではありませんけど。
それでも、適用されるルールというのはシンプルな場合でも複雑な場合でも同じなんですよね。
だからシンプルなコマンドを例にして、まずは基本ルールを覚えてしまう方が良いと思います。
と、そんな訳で、まずはコマンドマクロがどのような動きをするのか、基本ルールを箇条書きにしてみましょう。
・ボタンをクリックした際にコマンドマクロの中身が実行される
・キーボードから順番に実行するのと同じ結果となる
・左から順番にコマンドは実行される
・特殊な文字列の決まりはいくつかある(^Cなど)
・さらに複雑な構文も用意されている
■具体的にはどんなメリットなのか
この基本ルールは全て重要ではありますが、特に覚えて頂きたいのが二番目に書かれている内容。
キーボードを使って順番に入力していくのと同じ。
これは何かというと、キーボードから「ERASE」と入力して「Enter」を押す操作がボタンに登録されているということ。
今回のサンプルは削除コマンドなので、ボタンをクリックするよりもコマンドエイリアスなどで実行した方が早いかも知れません。
でも、もっと長いコマンドとか複雑な手順のコマンドとか、サブメニューを選ぶような操作とか。
そのあたりの流れも、コマンドマクロに登録することが出来る、というところに大きなメリットがあるんです。
例えばこんなコマンドマクロ。
このボタンをクリックすると、単に現在の画層を0にするだけのコマンドなんですけど、実際に操作をするのは多少の手間がかかります。
それをあらかじめボタンに登録しておくことで、この手間がボタンをクリックするだけになる訳です。
使い方はオートキャド(AutoCAD)ユーザーによって様々で、アイデアによって可能性は広がるはず。
なので、まずはシンプルな機能でも良いので、基本ルールを意識しながら自分でコマンドを作成してみることをお勧めします。