前回は、オートキャド(AutoCAD)のバージョンアップが本当に必要なのかについて、個人的な考え方を書きました。
会社の方針も確かにありますけど、バージョンアップをするかどうかは、個人の判断によって大きく変わります。
そういう意味では、オートキャド(AutoCAD)のプロが、ユーザーとしてどう考えるかは非常に重要だと思います。
もちろん「この考え方が正解」みたいなものはありません。
しっかりとした理由があるのなら、ユーザーとしてどんな判断であっても良いんじゃないか。
私はそう考えています。
オートキャド(AutoCAD)のバージョンアップについての意見を書いたついで、ということで。
今回は、バージョンアップとセットで考えられることが多い、サブスクリプションを取り上げてみます。
■サブスクリプションとは
昔はなかったAutodesk社のサービスに、サブスクリプションというものがあります。
毎月決められた金額を支払うと、常に最新バージョンのオートキャド(AutoCAD)を使うことが出来る、というものです。
まあ年間の支払額はかなりのものになりますが、毎年バージョンアップ版を買うのと同じですね。
サブスクリプションに加入して貰えば、ある程度安定した収入を見込むことが出来るし、バージョンアップ版を売るよりも確実。
メーカーのメリットはそのあたりにあるんだよな……商売が上手だな……とか思ったりもします。
でも、サービス自体が悪い訳ではなく、ユーザー側にもメリットがあるものであれば、それも問題ないと思います。
そのサービスに加入すると、最新バージョンのオートキャド(AutoCAD)が発売された際に、会社にソフトが届きます。
もちろんインストールするかどうかはユーザーに任されますけど、新しいものが届けばとりあえず使いますよね。
2005を使っているユーザーが急に2012バージョンを使うと、あまりにも違いが大きいので戸惑うことになります。
でも、毎年バージョンアップしていけば、その違いは少しずつになるので、操作に戸惑うことは少なくなります。
常に最新バージョンを使い続けることには、そうしたメリットもあるのではないかと思っています。
■プロとして重要なこと
サブスクリプションに加入することによって、最新バージョンのオートキャド(AutoCAD)を使うことが出来る。
常に最新バージョンを使うことによって、急激な操作感の変化に戸惑うことがなくなるというメリットがあります。
ソフトの都合によって操作方法が少しずつ変えられるのは、やっぱり納得が出来ない、という意見もあるかも知れません。
でも、自分の操作がベストなのかを見直す機会として、バージョンアップは良いチャンスではないかと私は思っています。
それに、「今年はこんな機能が付いたのか」みたいな感覚を味わうことが出来て、操作の幅が広くなるのが良いですね。
実際に「これは良さそうな機能だな」と思い、喜んで使ってみたら大したことはなかった、という場合もありますが……
それでも中には「やっぱり思った通り便利な機能だった」という場合もあるので、試してみる価値はあるはずです。
今までやって来たやり方が一番だから変えない。
そうした意見にも一理あるような気がしますけど、オートキャド(AutoCAD)のプロであれば常に進化した方が良い。
今まで仕事をしてきた中で、私はそういう考え方を持つようになりました。
まあこれはどんな職業であっても同じだとは思いますが、今までのやり方にこだわりすぎるとそこで進化は終わりです。
周囲のスキルが高まっていく中で、自分のスキルだけが変わらないというのは、相対的に見れば「退化」と同じですよね。
そうならない為にも、新しいバージョンのオートキャド(AutoCAD)に刺激を受けるのは良いことだと思います。
その為に、毎月の支払いが発生するサブスクリプションを利用するか。
これはユーザーと会社の判断にもよりますけど、選択肢のひとつとして考える価値はあると思います。
次回は、そんなサブスクリプションがもっている、もうひとつのサービスについて書いてみます。