AutoCADLTには高度な3D機能が存在しない

価格が比較的安い為、会社として購入しやすく、しかも基本的な機能は通常のオートキャド(AutoCAD)と同じである。

その為、初心者から中級者であればオートキャド(AutoCAD)LTで充分に仕事が出来ます。

上級者でも仕事の内容によっては全然問題なく、便利なツールとして使うことが出来ると思います。

このあたりの話が、前回オートキャド(AutoCAD)LTをお勧めした主な理由になります。

確かに、仕事をしながらスキルを高めていった時に、LTでは限界を感じるときが来るかも知れません。

でも、その時はずっと先のことだと私は思っています。

5年くらい仕事で鍛えられたらそのレベルに到達するかも知れませんけれど、少なくとも最初はLTで充分です。

もちろんLTに不満を感じる状態になるというのは、プロとしてステップアップした訳ですから、嬉しい状態なんですよね。

それは既にオートキャド(AutoCAD)を完全に使いこなしているということですから。

その状態であれば、恐らく仕事でどんどん稼いでいるはずですから、その時は50万円のレギュラー版を購入すれば良いでしょう。

しかし、安価であるオートキャド(AutoCAD)LTですが、その価格の代償が全くない訳ではありません。

オートキャド(AutoCAD)のレギュラー版に出来て、LT版に出来ないこととはどんなことなのでしょうか。

大雑把な話になってしまいますが、今回はそのあたりについて考えてみたいと思います。


■高度な操作は…

簡単に言ってしまうと、レギュラー版に出来てLTに出来ないのは「非常に高度な作業」です。

その代表的なものをいくつか挙げてみましょう。

①三次元関連

まずは三次元関連の機能。

単純に二次元の世界で図面を作図するだけであれば、LTを使えば全く問題なく作図出来ます。

しかしそこに高さ情報、つまり三次元データとして図面を描いていく事は、LT版では難しいです。

LT版でも全く出来ない訳ではないのですが、SOLIDに高さ情報を与えるなど、ごく簡単なもので精一杯。

とても仕事として効率よくやっていくことは出来ないと思います。

②高度なカスタマイズ

オートキャド(AutoCAD)を自分の使いやすいように設定して、便利なコマンドを作成したりすること。

これがカスタマイズの基本的なスタンスである訳ですが、LISPと呼ばれる言語を使ったコマンドの作成がLTでは出来ません。

もちろんカスタマイズ自体はLTでも充分出来ます。

当サイトでも、基本的にはオートキャド(AutoCAD)のLTを使ったカスタマイズについてお話しをしていきます。

LT版ではカスタマイズが出来ない、という訳ではないので、そのあたりの心配は必要ありません。

ただ、「より高度なカスタマイズ」をしたくなった時には、LTでは出来ないことも出てくるんです。

このあたりについては、結局使い方の問題になってきて「どこまでの機能を求めるのか」によります。

そして、結局は同じような結論になってしまいますが、LTのカスタマイズに限界を感じるまでには相当のスキルアップが必要です。

最初はLT版で充分ではないか、と書くのはそこに理由がある訳です。

■LTでどこまで便利になるか

オートキャド(AutoCAD)のレギュラー版に出来て、LTには出来ないことは、大雑把に言えばこんな感じになります。

先程も書きましたが、当サイトでは基本的にLTでも出来るカスタマイズを主に解説していくつもりです。

基本的な部分を自分流にカスタマイズするだけで、かなり便利に使いこなすことが出来る。

これが当サイトのテーマですから、まずは初歩的な部分がメインになってきます。

LT版でもカスタマイズをすることによってどれだけ便利になるのかを、ぜひとも体験して頂ければと思っています。

そして、LTのカスタマイズに不足を感じた時には、思い切ってレギュラー版を購入することをお勧めします。

その状態というのは、LTのカスタマイズに限界を感じる訳で、きっと作図者として相当なレベルに達しているはずですから。